元記事
記事タイトル
How to Start a Commercial Cleaning Business on the Side: $100k in 9 Months
掲載サイト
Side Hustle Nation
著者・聞き手
Nick Loper
出演者
Haley Gallagher氏(Moonlight Commercial Cleaning)
公開日・更新日
2025年11月3日公開。ページ上では2026年1月16日の更新表示があります。
元記事URL
https://www.sidehustlenation.com/commercial-cleaning-business/
記事内の売上、料金、従業員数などは出演者本人の説明をもとにしており、第三者による監査済みの数字ではありません。また、Side Hustle Nationは提携先から報酬を受け取る場合があると明記しています。
3分で要約
Haley Gallagher氏夫妻は、最初から清掃会社を作ろうとしていたわけではありません。
夫が夜間警備をしていたバーで、営業再開にあたり清掃業者が必要になったため、「自分たちに任せてもらえないか」と提案したのが始まりです。最初の契約は、1晩140ドル。従業員へ時給20〜30ドルを払い、約3時間で終わる想定から料金を決めました。
その後、地域のFacebookで飲食店清掃の仕事を探し、知人から別の案件を紹介されます。
しかし、この案件は見積もりを誤り、作業量が多すぎたため、1カ月で撤退しました。失敗ではありましたが、清掃業で最も重要なのが作業技術よりも、現場を見て正しく値段を付けることだと早い段階で学びました。
夫妻はその後、見込み客の紹介サイト、地域のFacebookグループ、人脈、飲食店への直接営業を使って契約を増やしました。最初の9カ月で10万ドル分の仕事を受注し、最初の通年売上は17万ドルを超えたと紹介されています。
主な顧客は、バー、レストラン、オフィスなどです。
家庭向け清掃ではなく法人向けに絞った理由は、仕事の範囲や手順が比較的明確で、定期清掃になりやすかったからです。個人宅では、物の紛失や破損をめぐるトラブルも心配でした。
事業が伸びると、自分たちだけでは現場を回れなくなります。記事時点では9人の従業員がおり、夫妻は徐々に清掃作業から離れ、採用、研修、顧客対応、請求へ役割を移していました。
主要な収益モデル
中心となるのは、法人施設との定期清掃契約です。
基本式は、
1回当たり料金× 月間清掃回数× 契約施設数− 清掃スタッフの人件費− 消耗品・移動・管理費
です。
飲食店やバーでは、閉店後に毎日または週数回の清掃が必要です。
一度契約すると、同じ場所で同じ作業が繰り返されます。単発のハウスクリーニングのように、毎回新しい顧客を探さなくても、月間売上が積み上がります。
また、店舗経営者が複数店舗を持っている場合、一つの現場で信頼を得ると別店舗の契約へ広がります。実際、最初のバーが閉店した後も、その経営者が所有する別のバーの清掃を引き継ぎました。
開始コストと必要スキル
元記事では、主な初期設備として約500ドルの業務用掃除機と清掃用品が挙げられています。レストラン側にモップ設備や一部の薬剤が備わっていたため、大きな設備投資は不要でした。
ただし、契約後すぐに入金されるわけではありません。
法人契約では月末締めなどが多く、人件費を先に払ってから売上が入ることがあります。夫妻も最初の月は資金繰りを守るため、できる限り自分たちで作業しました。
必要なスキルは、清掃そのものだけではありません。
- 現場を見て必要時間を見積もる力
- 作業範囲を契約書へ落とす力
- 従業員を採用・教育する力
- 夜間のシフトを組む力
- 作業品質を確認する力
- 請求と資金繰りを管理する力
とくに重要なのが、見積もりです。
安く受注すると、売上は増えても利益が残りません。この事業では、清掃速度よりも「何人で何時間かかるか」を事前に読めることが利益を左右します。
他人が見落としていたポイント
多くの人は、この事例を「夜中に店を掃除して稼ぐ仕事」と見ます。
しかし、顧客が買っているのは床を磨く作業だけではありません。
飲食店の経営者は、営業が終わった後にも、厨房、客席、トイレ、ごみ、床を翌日の営業に間に合う状態へ戻さなければなりません。
自社スタッフへ任せれば、残業が増える。
毎回担当者が変われば、品質が安定しない。
清掃が不十分なら、翌日の営業や店の評判に影響する。
つまり、顧客が買っているのは、
閉店後の店が、翌朝には何事もなかったように営業できる状態です。
さらに、この仕事の価値は高い専門技術ではなく、毎晩同じ時刻に確実に現れることにあります。
一度きれいにすることは難しくありません。
難しいのは、深夜や早朝に、誰も見ていなくても、同じ品質を繰り返すことです。
他人は汚れを見ていました。
しかし、この事業者は、店舗営業の裏側に毎日発生する、止めることのできない定型業務を見ていました。
日本ならどう応用できるか
日本で始めるなら、最初からあらゆる施設を狙うより、夜間に定型作業が発生する業態へ絞る方が現実的です。
例えば、
- 小規模飲食店
- バー、居酒屋
- 美容室
- クリニック
- 学習塾
- スポーツジム
- コインランドリー
- シェアオフィス
などです。
日本では人手不足に悩む店舗も多く、営業スタッフへ清掃を兼務させると、閉店後の残業や品質低下につながります。
ただし、「清掃一式」と曖昧に受けるのは危険です。
床、トイレ、ごみ、厨房周辺など、基本範囲を明確にし、油汚れ、害虫、排水管、高所作業などは追加料金または対象外にします。
また、一般家庭を広く回るより、同じビルや同じ駅周辺で複数店舗をまとめて取る方が、移動時間を減らせます。
5つの勝ち筋フィルター
① 中央値か、外れ値か
評価:★★★★☆
清掃業は典型的な既存市場です。
一方、営業時間外の法人店舗に絞り、昼の本業と両立できる副業として始めた点には外れ値性があります。
仕事内容ではなく、時間帯と顧客を絞ることで競争をずらしています。
② 古くからある市場か
評価:★★★★★
店舗や事業所がある限り、清掃需要はなくなりません。
新しい習慣を顧客へ教育する必要もなく、すでに社内スタッフや既存業者へ費用を払っている市場です。
③ 期待値1以上のサイコロを何度も振れるか
評価:★★★★★
掃除機と清掃用品があれば、一店舗から試せます。
失注しても大きな在庫や設備は残りません。飲食店、事務所、ジムなど、対象業態や営業方法を変えながら何度も検証できます。
ただし、従業員を雇う前に見積もりと入金条件を確認しなければ、受注が増えるほど資金繰りが苦しくなります。
④ 粗利益率は高いか
評価:★★★★☆
主な原価は人件費です。
作業時間を正確に見積もり、近隣施設をまとめ、同じ手順で回せれば高い利益率を確保できます。
一方、作業範囲が曖昧な契約や、遠方の小口契約は利益を圧迫します。
⑤ 再現性はあるか
評価:★★★★★
清掃場所、手順、使用用品、完了写真、所要時間を標準化しやすい仕事です。
一方で、従業員が現場へ行ったふりをするなど、無人時間帯ならではの管理リスクがあります。元記事でも、作業実績を虚偽申告した従業員をきっかけに、GPS付き勤怠管理を導入しています。
どうなったら失敗するのか
最大の失敗条件は、受注を優先して安く見積もることです。
清掃業では、売上より作業時間が重要です。
予定では2時間だった仕事が毎回4時間かかれば、契約が続くほど赤字が積み上がります。
もう一つは、品質確認を従業員任せにすることです。
顧客が翌朝に汚れを見つけてから問題を知る状態では、契約は長続きしません。
完了写真、チェックリスト、作業時刻、定期的な抜き打ち確認など、見ていなくても品質を確認できる仕組みが必要です。
早期に確認したいKPI
確認したいのは、1現場当たりの売上、実作業時間、人件費率、見積時間と実績時間の差、契約継続率です。
最も重要なのは、
一現場・一時間当たりで、いくら粗利益が残るか
です。
契約件数が増えても、この数字が下がっているなら成長とはいえません。
最初に取り組むアクション
最初の商品は、「小規模店舗の閉店後清掃」に絞ります。
床、トイレ、ごみ回収、客席の拭き上げを基本範囲とし、厨房の強い油汚れや特殊清掃は別料金にします。
最初の顧客候補は、自宅や勤務先から15分以内の飲食店、美容室、クリニックなどです。
検証期間は30日、費用は10万円以内とします。
10店舗へ直接声をかけ、3店舗で現地見積もりを行い、1件の定期契約を取ることを目標にします。
契約後は最初の1カ月を自分で作業し、実際の時間と消耗品費を記録します。
想定した時間内に終わり、月次で十分な粗利益が残り、顧客が継続を希望すれば続けます。赤字なら、料金を下げるのではなく、作業範囲か契約先を見直します。
この事業の本質は、店を掃除することではありません。
営業が終わった後に必ず発生する仕事を引き受け、店舗が翌朝すぐに再開できる状態を定期契約で提供することです。
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