83,000豪ドルで既存コインランドリーを買い、売上を3倍にした副業

コインランドリー 未分類

元記事

記事タイトル
I Bought a Side Hustle and Tripled Revenue in 1 Year

掲載サイト
Side Hustle Nation

出演者
Jono Santamaria

公開日
Side Hustle Show Episode 543として公開。現在の記事は2026年5月7日更新。

元記事URL
https://www.sidehustlenation.com/how-jono-tripled-his-laundromats-revenue-in-1-year/

この記事で紹介されているJono Santamariaは、オーストラリア・メルボルンで会社員として働きながら、既存のコインランドリーを買収し、副業として経営を始めました。

購入価格は83,000豪ドル。買収後1年間で売上を約3倍にし、その後は業務用ランドリーや、アパートなどへ自社保有の洗濯機を設置する「ランドリールート」へ事業を広げています。元記事によると、現在は約10拠点、約24台を運営しています。

売上、購入価格、設備価値などは本人へのインタビューに基づく数字であり、監査済みとは限りません。また、Side Hustle Nationはスポンサーやアフィリエイト収益を含むメディアです。

3分で要約

Jonoはもともと、株式や不動産へ投資していました。

しかし次の投資先として考えたのは、金融商品ではありません。

すでに利益を出している小さな事業を買い、自分で改善することでした。

条件は三つありました。

本業を続けながら運営できること。
大企業に寡占されていないこと。
自分のITやマーケティングの知識で改善できること。

そこで選んだのが、コインランドリーでした。

購入価格は83,000豪ドル。

興味深いのは、売主が提出した売上数字をそのまま信用しなかったことです。

Jonoは購入前の約2週間、時間帯を変えて店舗を訪れ、来店人数と利用金額を自分で数えました。

そこから年間収益を推計し、83,000豪ドルという価格なら、およそ2年分の収益で買えると判断します。

さらに店舗には業務用洗濯機が12台あり、新品で購入すれば約20万豪ドルかかると見積もっていました。購入価格の20%を自己資金で払い、残りは既存不動産を担保に銀行借入を利用しています。

買収後に行ったことも、大規模な改装ではありません。

まず、現金のみだった店舗にキャッシュレス決済を導入しました。現在では決済の70〜80%がカードになっています。

次に、ほぼ存在しなかったWebサイトとGoogle上の店舗情報を整え、Google広告、口コミ、被リンクなどを使って検索流入を増やしました。

最終的には「laundromat Northcote」でGoogle検索1位まで上がったとしています。

さらに、客数だけではなく、一人当たり売上も増やしました。

洗剤を販売する自販機に飲料やスナックを追加する。

通常洗浄より料金の高い「Super Wash」を設定する。

そしてホテル、クリニック、ジムなどのタオルやリネンを洗う業務用ランドリーサービスを開始しました。

この法人向けサービスだけで、年間最大25,000ドル程度の売上になったとしています。

結果として店舗売上は週約3,000ドル、月によっては約15,000ドルまで伸びました。

主要な収益モデル

現在の事業には、複数の売上源があります。

セルフランドリー利用料。
洗剤、飲料、スナックなどの自販機収入。
法人向け業務用ランドリー。
そして、他人の建物へ設置した洗濯機から得る利用料です。

収益構造は、次のように分解できます。

収益=セルフランドリー利用回数×利用単価+自販機販売数×粗利益単価+業務用ランドリー受注額+設置洗濯機の利用回数×利用単価×自社取り分-店舗賃料-水道光熱費-人件費-洗剤等原価-機械保守費-決済手数料-減価償却費-借入金利

特に面白いのが、後から始めたランドリールートです。

Jonoが洗濯機と乾燥機を購入し、アパート、学生寮、小規模ホテルなどへ無料で設置します。

建物側は、洗濯設備を購入する必要がありません。修理や管理もJono側が行います。

その代わり、入居者が洗濯するたびに発生する利用料金を、建物オーナーと分配します。

売上は、

設置台数×1台当たり利用回数×1回当たり料金×自社取り分

です。

Jonoは新品のキャッシュレス機器を中心に、5〜7年契約で設置し、約3年で設備代を回収することを目標にしています。

回収後も機械が動き続ければ、その後の利用料の多くが利益になります。

これは店舗ビジネスというより、収益を生む機械を各地へ配置する事業です。

開始コスト

この事例は、これまで紹介してきたデジタル系の副業より開始資金が大きくなります。

実例では、既存事業の買収に83,000豪ドルかかっています。

ただし、83,000豪ドルを内装や広告へ使ってゼロから店を作ったわけではありません。

すでに、

  • 稼働している洗濯機
  • 顧客
  • 売上
  • 店舗
  • 賃貸借契約
  • 立地

が存在する事業を買っています。

そのため、開始初日から売上があります。

一方で、設備の故障、建物の電力や給排水、賃貸借契約など、物理的な事業特有のリスクがあります。

実際、Jonoも店舗が50年以上前の建物だったため、新しい設備を追加する際に電力設備の問題に直面したと話しています。

必要スキル

洗濯技術より重要なのは、投資判断と経営改善です。

特に必要なのは、

  • 買収前の売上検証
  • 設備価値の評価
  • 賃貸借契約の確認
  • 借入と投資回収計算
  • Google検索・Web集客
  • 客単価改善
  • 法人営業
  • 作業の標準化
  • 人員配置

です。

つまり、自分で仕事を作るというより、

すでに存在する商売の数字を見て、どこを変えれば利益が増えるかを考える力

が重要になります。

他人が見落としていたポイント

他人は、コインランドリーを「洗濯機を置いて料金を取る商売」と見ていました。

Jonoは、すでに客が来ているのに、経営改善されていない事業として見ました。

現金しか使えない。
Webサイトがない。
Googleの店舗情報も正しくない。
洗剤販売が弱い。
高単価メニューがない。
法人営業をしていない。

つまり、需要がなかったのではありません。

需要はあるのに、運営が古かった。

ここが最大のポイントです。

ゼロから新しい市場を作る必要はありません。

すでに顧客がいて、毎月売上があり、設備もある。

そこに、別業界では当たり前になっているキャッシュレス、Web集客、客単価改善、法人営業を入れるだけでも、大きく変わる場合があります。

日本ならどう応用できるか

日本でも、ゼロから起業する以外に、既存の小規模事業を買って改善する方法があります。

たとえば、

  • コインランドリー
  • 小規模駐車場
  • トランクルーム
  • コイン洗車場
  • 無人販売所
  • 小規模宿泊施設
  • 自販機事業
  • レンタルスペース

などです。

狙うのは、現在すでに利益が出ている一方で、

「現金だけ」
「Web集客をしていない」
「Google上の情報が弱い」
「価格を何年も変えていない」
「法人営業をしていない」

といった改善余地がある事業です。

ただし、日本でコインランドリーを開設・運営する場合は、自治体ごとの衛生指導要綱や届出を確認する必要があります。

たとえば台東区では、コインランドリー営業施設を開設する際に保健所への届出が必要で、荒川区や江東区でも施設の構造設備や衛生管理について独自の指導要綱を設けています。自治体によって手続きが異なるため、買収前に所在地の保健所へ確認する必要があります。

5つの勝ち筋フィルター

① 中央値か、外れ値か

評価:★★★★★

コインランドリー自体は珍しくありません。

しかし、「新しく作る」のではなく、古い経営の既存店を買い、デジタル化と収益改善で価値を上げた点が外れ値です。

② 古くからある市場か

評価:★★★★★

洗濯需要は非常に古くから存在します。

新しい市場を教育する必要がなく、すでに利用者と支払い習慣があります。

③ 期待値1以上のサイコロを何度も振れるか

評価:★★★☆☆

一店舗を買うための資金が大きく、デジタル商品のように何度も低コストで試すことはできません。

一方、買収前に売上、設備、立地を調査できるため、完全なゼロからの起業より数字に基づいて判断できます。

④ 粗利益率は高いか

評価:★★★☆☆

水道光熱費、賃料、設備修理、減価償却、人件費が発生するため、デジタル事業ほど高い粗利益率にはなりません。

ただし、無人化や稼働率向上によって、一店舗あたりの利益を改善できます。

ランドリールートは、店舗賃料を持たずに機械利用料を得られるため、より資産型に近い構造です。

⑤ 再現性はあるか

評価:★★★★☆

「古い小規模事業を買い、ITとマーケティングで改善する」という考え方には再現性があります。

ただし、良い価格で買える事業が常に存在するわけではありません。

買収価格を間違えれば、その後どれだけ改善しても投資回収できません。

どうなったら失敗するのか

最大の死亡条件は、売主の数字をそのまま信用して高値で買うことです。

Jonoが2週間、自分で来客数を数えたのはこのためです。

次に危険なのが、設備の状態を軽視することです。

洗濯機、乾燥機、給排水、電気設備が老朽化していれば、買収直後に大きな修繕費が発生します。

さらに、賃貸借契約も重要です。

コインランドリーは大量の給排水工事が必要なため、簡単に隣の店舗へ移転できません。Jonoも、買収時に4年間の賃貸期間が残っていたことを重要視していました。

また、「無人だから不労所得」と考えるのも危険です。

機械故障、返金、清掃、クレーム、法人顧客への対応は残ります。

早期に確認したいKPI

見るべき数字は売上だけではありません。

  • 1日当たり利用回数
  • 1回当たり平均利用額
  • 洗濯機・乾燥機の稼働率
  • 水道光熱費率
  • 修繕費
  • 法人売上比率
  • 1店舗当たり人件費
  • 投下資本回収期間

特に重要なKPIは、投下資本の回収期間です。

月商が大きくても、機械や買収に多額の資金を使い、10年かけないと回収できないなら魅力は下がります。

最初に取り組むアクション

最初に売る最小の商品

この事業では、最初から商品を作る必要はありません。

まず、売却中の小規模事業を20件程度調べます。

最初の顧客候補

顧客ではなく、最初に探すのは「改善可能な既存事業」です。

現在利益が出ていて、経営者の高齢化や事業整理などで売却されている案件を探します。

最初の調査方法

候補事業について、

売上、利益、設備価値、賃料、契約残存期間、競合、Google口コミ、Web集客状況を確認します。

可能であれば現地へ行き、自分で客数や利用単価を観察します。

投入する費用と時間の上限

買収前の調査に十分な時間を使い、購入価格だけでなく、買収後に必要になる追加投資まで含めて資金上限を設定します。

借入を使う場合でも、最悪のケースで返済を続けられるかを確認します。

継続または撤退を判断する基準

買収前に、次の式を書き出します。

収益=既存事業売上+改善による追加売上-賃料-水道光熱費-人件費-設備修繕費-消耗品費-決済手数料-減価償却費-借入金利

そして、

買収価格+追加設備投資額÷年間キャッシュフロー

から、何年で投資資金を回収できるかを確認します。

改善を一切できなかった場合でも返済できない案件は、買わない方が安全です。

この事業の本質は、コインランドリーを経営することではありません。すでに顧客と売上を持つ古い事業を適正価格で買い、そこへ自分の得意な経営改善を加えて、より価値の高い収益資産へ変えることです。

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