同じChrome拡張でも、Easy Foldersは「複数AIを横断する整理基盤」へ進化した

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元記事

記事タイトル
6 months post-launch, my Chrome extension has hit $3,700+ in MRR and $42,000+ in total revenue

掲載サイト
Indie Hackers

著者・創業者
Edmund Yong

公開日
2024年8月9日

元記事URL
https://www.indiehackers.com/product/easy-folders/6-months-post-launch-my-chrome-extension-has-hit-3-700-in-mrr-and-42-000-in-total-revenue–O3qs28VAnAkcJw0j–M

この記事で紹介する「Easy Folders」は、ChatGPTやClaudeの画面に、フォルダ、検索、プロンプト管理などを追加するChrome拡張機能です。

創業者によると、公開から約6か月で月間継続収益は3,700ドルを超え、累計売上は4万2,000ドル以上になりました。いずれも本人の投稿に基づく数字であり、監査済みとは限りません。

元記事には製品ページやChromeウェブストアへの導線があります。また、Easy Foldersは現在「Sortbase」という名称へ展開し、ChatGPT、Claude、Gemini、Grokなど複数の生成AIを横断して会話を管理する製品へ変化しています。

前の記事と、ほぼ同じ事業である

前回紹介したSuperpower ChatGPTも、ChatGPTにフォルダ、検索、プロンプト保存などを追加するChrome拡張機能でした。

今回のEasy Foldersも、出発点はほぼ同じです。

どちらも、生成AIそのものを開発したわけではありません。

ChatGPTなどの利用者が増えるなかで、

会話が埋もれる。
以前の回答を探せない。
役立ったプロンプトを再利用できない。

という、生成AI本体に残っていた不便を補いました。

収益モデルも似ています。

無料または試用版で利用者を集め、一部の機能を有料化し、月額または年額の継続収益につなげます。

では、なぜ同じような事業をもう一度取り上げるのか。

理由は、出発点は同じでも、その後の進化の方向が違うからです。

3分で要約

Easy Foldersは、ChatGPTとClaudeの会話をフォルダで整理するChrome拡張機能として始まりました。

利用者は会話を仕事、調査、文章作成、プログラミングなどに分類し、過去の会話を検索できます。さらに、よく使うプロンプトを保存し、再利用することもできました。

公開から約6か月で、月間継続収益は3,700ドルを超え、累計売上は4万2,000ドル以上になったと創業者は説明しています。

初期の継続費用は小さく、主な費用は登録やログイン用のメール配信サービス程度でした。

ただし、この製品も完全に放置できたわけではありません。

ChatGPTやClaudeの画面構造が変われば、昨日まで動いていた機能が使えなくなる可能性があります。外部サービスの上に作るChrome拡張は、対象サービスの変更へ継続的に対応しなければなりません。

その後、Easy FoldersはSortbaseへ進化しました。

現在は一つの生成AIを便利にするだけでなく、ChatGPT、Claude、Gemini、Grokなどに散らばった会話を共通のフォルダで管理し、異なる生成AI間で会話を移動できる方向へ進んでいます。

Superpower ChatGPTとの違い

Superpower ChatGPTは、ChatGPTの中へ多くの機能を追加する方向へ進みました。

フォルダ、検索、書き出し、プロンプト管理、音声、プロンプトチェーンなどを加え、ChatGPTを使うための総合的な作業環境を作っています。

言い換えると、一つのサービスの中で、提供する機能を横に広げた事業です。

一方のEasy Folders/Sortbaseは、整理機能を軸に、対応する生成AIを増やしました。

ChatGPTだけでなく、Claude、Gemini、Grokにも対応し、複数のAIに分散した会話をまとめて管理しようとしています。

こちらは、一つの機能を軸に、対応するサービスを横に広げた事業です。

同じ「生成AIの会話整理」から始まっても、成長の仕方は異なります。

Superpower ChatGPTは、ChatGPTの作業環境を深くする。

Sortbaseは、複数AIをまたぐ情報管理へ広げる。

この違いが、二つ目の事例として見る価値です。

主要な収益モデル

基本収益は、有料利用者から受け取る継続課金です。

売上は、次の式で考えられます。

利用者数 × 有料化率 × 月額または年額料金

無料版や試用期間で便利さを体験してもらい、フォルダ数、同期、検索、プロンプト管理、複数AI対応などを有料機能にします。

この事業では、利用者が保存した会話やプロンプトが増えるほど、製品を使い続ける理由も強くなります。

単なる便利機能ではなく、利用者自身の情報資産を保管する場所になるからです。

さらに、Sortbaseのように複数AIを横断できれば、利用者がChatGPTからClaudeへ移っても、製品との関係は切れません。

特定の生成AIだけに依存するより、顧客を維持しやすい構造を目指しています。

開始コスト

物理的な在庫、店舗、配送設備は必要ありません。

必要なのは、Chrome拡張機能の開発環境、紹介サイト、決済、登録機能、問い合わせ窓口などです。

最小構成なら、対象となる生成AIを一つに絞り、フォルダや検索など一つの機能だけで検証できます。

一方、対応するAIを増やすほど、保守対象も増えます。

ChatGPT、Claude、Gemini、Grokのいずれかが画面を変更すれば、それぞれに修正が必要です。

Sortbaseの進化は、特定サービスへの依存を下げる一方、保守範囲を広げる選択でもあります。

必要スキル

最低限必要なのは、HTML、CSS、JavaScriptなどを使ったChrome拡張機能の開発力です。

ただし、最初の機能を作る力だけでは足りません。

利用者がどの生成AIを使い分けているか、どこで会話が分断されているかを理解する必要があります。

また、複数AIに対応する場合は、それぞれの画面構造、保存方法、仕様変更を追いかけなければなりません。

加えて、利用者の会話データを安全に扱う知識、問い合わせ対応、障害修正、料金設計も必要です。

他人が見落としていたポイント

Superpower ChatGPTは、ChatGPTに不足する機能を見つけました。

Easy Foldersも、最初は同じ問題を見ていました。

しかし、その後に見つけた問題が違います。

利用者は、一つの生成AIだけを使い続けるとは限りません。

調査はPerplexity、文章作成はChatGPT、長文分析はClaude、Googleサービスとの連携はGeminiというように、用途ごとに複数のAIを使い分けることがあります。

すると、今度は会話が一つのAI内で埋もれるだけでなく、複数のサービスへ分散します。

どのAIで何を調べたのか分からない。
別のAIへ会話を引き継げない。
過去の会話やプロンプトをサービスごとに探し直す。

Sortbaseが見ているのは、この分断です。

顧客が買っているのは、フォルダ機能だけではありません。

どの生成AIを使っても、過去の会話やプロンプトを失わず、同じ仕事を続けられる状態です。

生成AI同士が競争して入れ替わっても、その上にある整理基盤を握ろうとしています。

日本ならどう応用できるか

この発想は、生成AI以外にも応用できます。

複数のサービスに同じ種類の情報が散らばっている業務を探します。

たとえば、複数の銀行口座に分散した残高、複数店舗に分散した修繕依頼、複数の求人サイトに分散した応募者、複数の予約サイトに分散した顧客情報などです。

一つのサービスを便利にするだけでなく、複数サービスの間をつなぐ整理機能を作ります。

ただし、業務システムや生成AIの会話を扱う場合は、データの取得範囲、保存場所、利用目的を明確にする必要があります。

必要以上の閲覧権限を求めず、外部サービスの利用規約にも従わなければなりません。

特に会社の顧客情報、会計情報、従業員情報を扱う場合は、便利さより安全性を優先する必要があります。

5つの勝ち筋フィルター

① 中央値か、外れ値か

評価:★★★★☆

フォルダや検索そのものは、一般的な機能です。

しかし、一つの生成AIだけでなく、複数の生成AIを横断して会話を整理する方向へ進んだ点に特徴があります。

既存機能を、新しい分断問題へ当て直した外れ値です。

② 古くからある市場か

評価:★★★★★

情報を分類し、検索し、異なる場所のデータを一元管理したい需要は以前からあります。

メール、ファイル、写真、クラウドストレージでも同じ問題が起きてきました。

新しい需要ではなく、複数AIの普及によって再び現れた古い問題です。

③ 期待値1以上のサイコロを何度も振れるか

評価:★★★★★

最初は一つの生成AIと一つの機能だけで試せます。

反応を見ながら、対応AI、料金、検索、同期、共有などを追加できます。設備や在庫も必要ありません。

ただし、複数AIに対応すると、保守する対象が増えます。小さく始められても、広げ方を誤ると開発負担が急増します。

④ 粗利益率は高いか

評価:★★★★★

利用者が増えても、材料費や配送費は発生しません。

主な原価は、サーバー、決済、開発、保守、問い合わせ対応です。

一方、対応する生成AIが増えるほど、仕様変更への修正工数も増えます。粗利益率を守るには、利用者の少ないサービスまで無理に対応しないことが重要です。

⑤ 再現性はあるか

評価:★★★★☆

既存サービスに残る不便を見つけ、最小機能を作り、利用者の反応を見ながら対応範囲を広げる流れは再現できます。

また、一つのサービスに深く依存せず、複数サービスを横断する機能へ展開する考え方も応用可能です。

ただし、複数サービスへ対応すれば、単純に市場が広がるわけではありません。利用者が本当に横断管理を必要としているかを確認する必要があります。

どうなったら失敗するのか

最大の死亡条件は、対応サービスを増やすこと自体が目的になることです。

利用者が少ない生成AIまで対応すると、開発と保守だけが増えます。

次に危険なのは、各サービスの画面変更に追われ、主要機能の改善が止まることです。

複数AIへ対応していても、検索、同期、移動が遅い、データが欠ける、分類が使いにくいのであれば、利用者は定着しません。

さらに、利用者の会話データを一か所へ集める製品は、情報漏えいが起きた場合の影響が大きくなります。

必要以上の情報を取得する、保存場所を説明しない、安全対策が不十分であることは致命傷になります。

早期に確認したいKPI

確認すべき数字は、インストール数、週間利用率、有料化率、解約率、検索回数、フォルダ作成数、複数AI利用率です。

特に重要なKPIは、二つ以上の生成AIを横断して機能を使う利用者の割合です。

ほとんどの利用者がChatGPTだけで使っているなら、複数AI対応は価値ではなく、単なる保守負担です。

最初に取り組むアクション

最初に売る最小の商品

二つのWebサービスに分散している、同じ種類の情報を一つにまとめる機能を作ります。

たとえば、ChatGPTとClaudeの会話タイトルを同じ画面で検索できる機能だけに絞ります。

最初の顧客候補

複数の生成AIを業務で使い分け、過去の会話を探すことが多い利用者です。

一つのAIしか使わない一般利用者ではなく、用途別に複数サービスを行き来する人を対象にします。

最初の集客方法

生成AIの活用コミュニティやSNSで、複数AIをどのように使い分けているかを調べます。

最初は無料で公開し、横断検索や会話移動が実際に使われるかを確認します。

投入する費用と時間の上限

検証期間は1か月。対応する生成AIは二つ。開発期間は最大2週間。初期費用は3万円以内とします。

最初から四つ、五つの生成AIへ対応しません。

継続または撤退を判断する基準

公開後1か月で100件以上インストールされ、そのうち20%以上が二つの生成AIを横断して利用し、5人以上が同期や移動機能への支払いを希望すれば継続します。

一つの生成AIでしか使われない場合は、横断型ではなく、そのサービス専用の深い機能へ戻します。

この事業の本質は、ChatGPTやClaudeの会話にフォルダを付けることではありません。複数の生成AIに分散した思考や調査を、一つの資産として持ち運べる状態を提供することです。

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