元記事
記事タイトル
How I Grew My Hobby Travel Blogs to $50K Months in Just 3 Years
掲載サイト
Side Hustle Nation / The Side Hustle Show Episode 573
著者・出演者・創業者
Nick Loper / Shelley Marmor氏
公開日
2023年7月20日。Side Hustle Nationの一覧では2026年5月18日の更新表示があります。
元記事URLhttps://www.sidehustlenation.com/grow-a-travel-blog-to-50k/
Shelley Marmor氏は2020年に「Travel Mexico Solo」を立ち上げ、その後メキシコの都市別サイトや旅行ブログ運営者向けサイトへ展開しました。元記事では、事業全体で月5万ドル超の売上を生み、主力サイトは約180記事、月間約30万PVまで成長したと紹介されています。
なお、売上などは本人へのインタビューをもとにした数字であり、第三者による監査済みの数値ではありません。またSide Hustle Nationは、記事中の一部リンクから報酬を得る場合があることを明記しています。
3分で要約
Shelley氏はもともと15年間会社員として働いていました。2020年、コロナ禍の中で、それまで約1年間一人旅をしていたメキシコをテーマに「Travel Mexico Solo」を始めます。
最初は、自分がメキシコを旅行した体験を書いていました。
しかし途中で、大きな間違いに気づきます。
読者はShelley氏の旅行そのものを読みたいのではない。自分がメキシコを旅行するときの問題を解決したい。
そこで、「自分が書きたい旅行記」から、「旅行者がGoogleで検索している質問」へ記事の作り方を変えました。宿泊先、観光、治安、持ち物など、旅行を計画する人が実際に検索するテーマに集中します。さらに「旅行」でも「世界旅行」でもなく、まずメキシコに特化しました。
キーワード選びも特徴的です。
大きな検索需要だけを狙いません。新しいサイトでは競争の弱い検索語を優先し、月間検索数が10回程度でも、購入意図が強く、旅行ツアーなど高額なアフィリエイト収益につながるなら記事を書くと説明しています。
たとえば「ニューヨークのおすすめホテル」のような大きなテーマを狙うより、「ペット同伴可能」「子連れ」「バルコニー付き」「朝食無料」といった条件まで絞る。
検索数は減ります。
しかし、その検索をしている人が欲しい答えには近づきます。
さらに、メキシコ全体のサイトが育つと、Merida、Oaxaca、Tulumなど都市単位のサイトも作りました。Merida特化サイトは4カ月で広告ネットワークの条件を満たし、月5,000ドルのアフィリエイト収入を生むまでになったと紹介されています。
事業開始から約1年半後にはライターを採用し、記事制作をチーム化。元記事掲載時点ではライター4人、編集者、ブログマネージャーという体制になっていました。
つまり、成長の転換点は「旅行ブログをたくさん書いたこと」ではありません。
需要のある検索語を見つけ、その検索意図に対応する記事を、一つずつネット上の収益資産として積み上げたことです。
主要な収益モデル
主な収益は、ホテル、ツアー、旅行保険、レンタカー、旅行用品などのアフィリエイトと、Webサイト上の広告です。元記事では、特にアフィリエイト収益を早い段階から重視していました。
事業モデルを単純化すると、
収益=記事閲覧数×アフィリエイトリンククリック率×成約率×平均紹介報酬+ページビュー÷1,000×広告単価+メール・デジタル商品売上-ライター費-編集・サイト管理人件費-SEO・分析ツール費-サーバー費-メール配信費-取材・旅行費-記事更新費
となります。
この事業の強みは、一度公開した記事が翌月も検索されることです。
記事を1本書くたびに、その月だけ売上が増えるのではありません。検索順位を維持できれば、ホテル予約やツアー予約を何度も発生させます。
Shelley氏自身も、急激なバズで成長したのではなく、小さな成功が積み重なったと説明しています。
一方、記事が増えればライターや編集者への支出も増えます。また旅行情報は古くなるため、一度書けば永久に放置できる資産でもありません。
したがって重要なのはPVそのものではなく、
1本の記事を作るために使った費用を、その記事が何カ月で回収するか
です。
開始コスト
物理的な設備や在庫はほぼ必要ありません。
ドメイン、レンタルサーバー、WordPressなどのサイト環境と、キーワード調査ツールがあれば始められます。Shelley氏は当時、KeySearchを月14ドルで利用していました。またSEOを学ぶために有料講座にも投資しています。
ただし、現金投資が小さいからといって簡単な事業ではありません。
2020年は収益が出ず、利益が出始めたのは2021年でした。初期には自ら記事を書き、ゲスト投稿による被リンク獲得も続けています。
最大の開始コストは、売上が出るまで記事を積み上げる時間です。
必要スキル
重要なのは、旅行好きであること以上に検索需要を読む能力です。
検索数はあるか。競争相手は強いか。その検索をする人は何を決めようとしているのか。ホテルを予約する直前なのか、単に写真を眺めたいだけなのか。
この違いによって、同じ100PVでも収益価値は大きく変わります。
さらに、関連する記事を束で作る「トピッククラスター」、被リンク獲得、記事更新、アフィリエイト導線の改善も必要です。Shelley氏はクリック位置を確認できるツールも使い、リンク配置を改善していました。
規模が大きくなれば、自分で書く能力より、キーワード選定、執筆指示、編集基準を他人へ渡せる運用標準化のほうが重要になります。
他人が見落としていたポイント
旅行ブログを見ると、多くの人は「旅行経験の多さ」を競争力だと考えます。
しかし、この事例では少し違います。
他人は、
「何を書けば多くの人に読まれるか」
を考えていました。
Shelley氏は、
「すでに検索している人の中で、自分でも1位を取れそうな小さな需要はどこか」
を探しました。
ここが重要です。
月間10万回検索されるキーワードで50位になるより、月10回しか検索されなくても1位になり、その10人が旅行予約直前なら、後者のほうが小さなサイトには価値がある場合があります。
だから「Things to do in Cozumel」だけでは終わらせず、「子連れ」「夜」「雨の日」と条件を細分化していきました。
同じことを都市単位でも行います。
メキシコで勝てるようになったら、さらにMeridaだけ、Oaxacaだけ、Tulumだけへ狭める。
広い市場の端に立つのではなく、小さい市場の先頭に立つ。
これがこの事業の特徴です。
他人は「人気の旅行テーマ」を探していた。しかし、この事業者は**「検索需要は存在するのに、強い回答がまだ置かれていない小さな場所」**を探していました。
日本ならどう応用できるか
この構造は旅行ブログに限りません。
重要なのは、
検索需要を確認してから商品となるコンテンツを作る
という順番です。
たとえばホテルなら、施設側は客室、料理、温泉など自分たちが見せたいものを発信しがちです。
しかし利用者が実際に困って検索するのは、
「駐車場はあるか」
「子ども料金はいくらか」
「犬と泊まれるか」
「花火は部屋から見えるか」
「アレルギー対応できるか」
といった具体的な条件かもしれません。
会計、法律、住宅、育児、介護、ITなどでも同じです。
「経費精算とは」のような巨大キーワードだけではなく、「領収書を紛失した」「請求書の日付が違う」「CSVが文字化けする」といった小さく具体的な問題には検索需要があります。
既存サイトを持っている場合は、さらに有利です。
新しいテーマをゼロから想像するだけでなく、Search Consoleなどで実際に表示されている検索語を見て、すでに少し評価されているテーマを深掘りする方法があります。
たとえば表示回数は多いが検索順位がまだ1ページ目に届いていないテーマについて、既存記事を改善したり、より具体的な関連記事を追加する。
ゼロから需要を予測するより、すでに検索エンジンから返ってきている反応を使って次の商品を決める方法です。
7つの勝ち筋フィルター
① 他人が見落としている切り口があるか
評価:★★★★★
大きな検索語ではなく、検索数が小さくても競争が弱く、購入意図が強いキーワードを拾っています。
「小さいから価値がない」という需要を収益資産へ変えています。
② 古くからある市場か
評価:★★★★★
旅行計画、ホテル予約、ツアー予約は昔からお金が使われている市場です。
新しい需要を教育する必要がありません。
③ 小さく始められるか
評価:★★★★★
最初は一つのサイト、一つの地域、一つの記事から始められます。
売れない在庫や店舗を抱える必要もなく、記事単位で仮説を検証できます。
④ 在庫を持たずに済むか
評価:★★★★★
物理在庫はありません。
売れなかった記事は時間損失になりますが、商品の廃棄や仕入代金は発生しません。
⑤ ストック収益になるか
評価:★★★★☆
検索上位を維持できれば、過去記事から繰り返し広告・アフィリエイト収益が発生します。
一方、Googleのアルゴリズム変更や旅行情報の陳腐化があるため、完全な放置型収益ではありません。Shelley氏自身も検索・SNSアルゴリズムへの依存リスクを指摘しています。
⑥ 粗利益率は高いか
評価:★★★★☆
記事が完成した後の追加閲覧に大きな原価はかかりません。
ただし規模を拡大すると、ライター、編集者、サイト管理、更新作業などの人件費が増えます。
⑦ 再現性はあるか
評価:★★★★☆
キーワード調査、検索意図の確認、記事制作、収益化という手順は他テーマでも使えます。
ただし検索順位は外部プラットフォームであるGoogleに左右され、同じ記事を書けば同じ結果になるわけではありません。
どうなったら失敗するのか
最大の死亡条件は、アクセス数だけを追うことです。
検索数の多いキーワードでPVを集めても、その読者がホテルもツアーも商品も買わなければ利益は残りません。
二つ目は、サイトの評価が弱いうちから巨大キーワードばかり狙うことです。
半年かけて記事を書いても50位では、検索流入はほとんど得られません。
三つ目は、売れる型を確認する前にライターを大量採用することです。
Shelley氏がチーム化を始めたのは約1年半後です。まず本人が検索需要と収益化の型を確かめ、その後に制作量を増やしています。
そして最大の外部リスクがGoogle依存です。
検索順位が落ちれば、それまで収益資産だった記事が一気に稼げなくなる可能性があります。そのため本人もメールリストを、アルゴリズムに左右されにくい直接的な顧客接点として重視していました。
早期に確認したいKPI
見るべき数字は、公開記事数だけではありません。
検索10位以内へ入った記事率、記事ごとの検索流入、アフィリエイトリンククリック率、成約率、1,000PV当たり収益、記事制作費、記事更新費などを確認します。
そして最も重要なのは、
「記事1本あたりの投資回収期間」
です。
1万円で作った記事が毎月3,000円の粗利益を生むなら、数カ月で回収できます。
一方、10万PVを生んでも収益がほとんど発生しない記事ばかりなら、メディアとして大きくなっても事業としては弱い。
最初に取り組むアクション
最初に売る最小の商品
最初から100記事作りません。
一つの狭いテーマについて、購入や意思決定に近い検索キーワードを5個だけ選び、5記事作ります。
最初の顧客候補
旅行なら、「旅行好き」ではなく、具体的な場所へ近いうちに行く予定があり、ホテル、ツアー、移動手段などを探している人です。
他分野でも「興味がある人」ではなく、今日その問題を解決しようとして検索している人を狙います。
最初の集客方法
最初は広告を使いません。
Google検索結果を調べ、上位記事が十分に答えていない具体的な検索語を選びます。
既存サイトがあるなら、Search Consoleで表示され始めているテーマも候補にします。
投入する費用と時間の上限
3カ月、記事5本、外部支出3万円以内。
この段階では大量外注やサイトの横展開はしません。
継続または撤退を判断する基準
5記事のうち最低2記事が検索上位へ近づき、実際にアフィリエイトクリック、問い合わせ、商品購入などの収益につながる行動が発生するかを確認します。
反応がなければ「もっと記事を書く」のではなく、検索語、競争度、検索意図、収益商品のどこが間違っているかを見直します。
この事業の本質は、旅行ブログを書くことではありません。すでに存在する小さな検索需要を見つけ、その答えを繰り返し収益を生むデジタル資産へ変えることです。


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