ツールを並べた名簿を、月約7,000ドルを生む「掲載場所」に変えた事業・副業

プログラミングのイメージ 未分類

元記事

記事タイトル
Increasing revenue by 3x by pivoting a simple directory into a Product Hunt alternative at the right moment

掲載サイト
Indie Hackers

著者
James Fleischmann

創業者
Thomas Sanlis

公開日
2024年11月29日

元記事URL
https://www.indiehackers.com/post/creators/increasing-revenue-by-3x-by-pivoting-a-simple-directory-into-a-product-hunt-alternative-at-the-right-moment-E4c93HRVYcCQl3GMvvhN

この記事で紹介されている「Uneed」は、ソフトウェアやWebサービスを一覧化し、開発者や起業家が新しい商品を見つけられるようにしたディレクトリです。

元記事によると、2024年10月の売上は6,738ドルでした。2025年には創業者が運営する複数事業の年間売上が13万ドルに達し、Uneedには年間7,500件の商品が掲載され、4万5,000件の新規アカウントが作られたと本人が公表しています。いずれも創業者本人の申告に基づく数字であり、監査済みとは限りません。

Indie Hackersには有料会員サービスへの導線があります。Uneedの公式サイトにも、有料掲載、広告、商品レビュー、関連サービスへの案内があり、事例紹介と商業的な情報が混在しています。

3分で要約

Thomasは2019年、プログラミングの勉強を兼ねて、フロントエンド開発に役立つツールを1日1件ずつ掲載するサイトを作りました。

最初は、単なるおすすめツールの一覧でした。

掲載数が増えると、開発者側から「自分の商品も載せてほしい」という申込みが届くようになります。ThomasはGoogleフォームで投稿を受け付けましたが、件数が増えて処理しきれなくなったため、掲載待ちの列を作り、料金を払えば順番を早められる仕組みを導入しました。これが最初の収益化でした。

その後の約4年間は、運営をできるだけ自動化し、週2時間ほどの作業で維持していました。2024年初めには、月約2,000ドルを売り上げながら、運営費は月50ドル未満だったと説明しています。

転機は、競合するProduct Huntへの不満が起業家の間で増えたことと、Uneedの検索流入が伸び始めたことでした。

Thomasは単なるツール一覧を、毎日新商品を公開し、利用者が投票やコメントを行う「商品発表プラットフォーム」へ変更します。一時は月売上が1,917ドルから870ドルまで落ちましたが、その後回復し、2024年10月には6,738ドルとなりました。

現在のUneedは、商品の掲載ページ、カテゴリー、類似商品、代替サービス、レビュー記事、広告枠などを持つ大規模な情報資産になっています。公式サイトは2026年時点で8万5,000人の登録者を掲げています。

主要な収益モデル

Uneedの中心収益は、商品を目立つ場所へ掲載したい事業者から受け取る料金です。

収益は、おおむね次の構造になります。

有料掲載件数 × 掲載料金+広告収入+レビュー制作料

無料でも商品を登録できますが、早く公開したい、確実にトップページへ出したい、検索上の被リンクを得たいという事業者は有料枠を購入します。

元記事では、商品を実際に試し、「商品名+レビュー」という検索キーワードを狙う記事を217ドルで制作していたことも紹介されています。

さらに、サイト内の広告枠、提携サービス、アフィリエイト、今後の有料会員機能などへ収益源を広げられます。創業者は2026年に向け、収益を安定させるため、プレミアム機能や会員制コミュニティを検討すると説明しています。

ただし、元の収益構造は月額課金だけではありません。有料掲載は単発売上が多く、毎月の収入が変動しやすい点には注意が必要です。

開始コスト

最初に必要なのは、ドメイン、サーバー、簡単なサイト、掲載情報だけです。

Uneedも当初は、ツールを一覧表示し、Googleフォームから申込みを受けるだけの小さなサイトでした。

プログラムを書けなくても、WordPress、表計算、ノーコード型のデータベースサービスを使えば、最小構成は作れます。

初期投資を増やすべきなのは、掲載依頼、検索流入、メール登録者のいずれかが増え、手作業では処理できなくなってからです。

最初から投票、口コミ、決済、会員登録、ランキングまで作る必要はありません。

必要スキル

最も重要なのは、情報を集めることではなく、何を載せ、何を載せないかを決める編集力です。

掲載基準が曖昧だと、低品質な情報が増え、利用者が離れます。

そのほか、基本的なサイト制作、SEO、掲載企業への営業、問い合わせ対応、データ更新が必要です。

サイトが大きくなると、重複情報、不正な投稿、掲載終了した企業、料金変更などの管理も必要になります。

Uneedでは、商品公開、受賞者への連絡、メール送信、SNS投稿などを自動化し、日常運営の負担を下げています。

他人が見落としていたポイント

他人は、便利なツールを紹介する記事を見ていました。

しかし、Thomasは、新商品を発表したい事業者と、商品を探したい利用者が集まる場所を見ていました。

利用者は、すべてのサービスを自分で検索したいわけではありません。

大量の候補から、用途に合う商品を探し、違いを比較し、信頼できるものを選ぶ負担を減らしたいのです。

一方、掲載企業は、ページを作ってほしいわけではありません。

見込み客の目に触れる場所、検索結果に残るページ、公式サイトへの被リンク、第三者から紹介された実績を求めています。

ディレクトリに掲載情報が増えると、利用者にとって選択肢が増えます。利用者が増えると、掲載したい企業も増えます。掲載企業が増えると、さらに検索流入が増えます。

一つの記事を売るのではなく、売り手と買い手が集まる場所そのものを育てているのです。

日本ならどう応用できるか

日本でも、情報が分散し、選ぶのが難しい業界には応用できます。

たとえば、ホテル向け業務システム、経理代行会社、補助金対応業者、などです。

重要なのは、広いテーマを選ばないことです。

「日本の会社一覧」では価値がありません。「ホテルの勤怠システム」「飲食店の閉店支援」「多店舗企業向け請求書サービス」のように、利用目的まで狭くする必要があります。

掲載料を受け取った企業を、編集部の推薦であるかのように表示するのも危険です。日本では、広告であることを一般消費者が判別しにくい表示は、ステルスマーケティングとして景品表示法の対象になります。有料掲載、スポンサー、広告記事は明確に表示する必要があります。

また、企業名、担当者名、問い合わせ情報を収集する場合は、利用目的を明示し、個人情報の管理方法を整える必要があります。

5つの勝ち筋フィルター

① 中央値か、外れ値か

評価:★★★★☆

企業や商品を並べた一覧サイトは珍しくありません。

外れ値になるのは、対象を狭くし、掲載、比較、検索流入、商品発表までを一つの場所に集約したときです。

単なる名簿ではなく、業界の入口を作れるかが重要です。

② 古くからある市場か

評価:★★★★★

企業は以前から広告、展示会、業界誌、比較サイトへ掲載費を支払っています。

利用者も、商品や業者を探し、比較するために時間を使っています。

既存の広告費と情報収集時間を置き換える市場です。

③ 期待値1以上のサイコロを何度も振れるか

評価:★★★★★

ドメインと小さなサイトだけで始められます。

テーマ、掲載基準、料金、集客方法を変えながら検証でき、失敗しても在庫や設備は残りません。

ただし、複数テーマのサイトを同時に作ると、情報更新が追いつかず、薄いディレクトリが大量に残ります。

④ 粗利益率は高いか

評価:★★★★★

情報が蓄積した後の主な原価は、サーバー、決済手数料、データ更新、顧客対応です。

掲載数が増えても、材料費や配送費は発生しません。

一方、すべての情報を人力で調査し、記事まで個別制作すると、メディア制作業に近づき、粗利益率は下がります。

⑤ 再現性はあるか

評価:★★★★☆

掲載フォーマット、登録審査、更新確認、請求、広告表示は標準化できます。

ただし、どの情報を集めれば利用者が集まるかというテーマ選定は、創業者の業界理解に左右されます。

サイト制作よりも、狭い業界の不便を見つける力が必要です。

どうなったら失敗するのか

最大の死亡条件は、利用者がいない段階で掲載企業から料金を取ろうとすることです。

企業が買うのは掲載ページではなく、閲覧、問い合わせ、被リンク、信用です。何も届かない場所には継続してお金を払いません。

次に危険なのが、掲載数を増やすことだけを目標にすることです。

情報が古い、違いが分からない、どれを選べばよいか判断できないディレクトリは、大量の名簿にすぎません。

有料掲載企業だけを上位に並べながら、その事実を表示しないことも、利用者の信頼を失う原因になります。

早期に確認したいKPI

確認する数字は、掲載件数、検索流入、掲載ページ閲覧数、企業サイトへの送客数、有料掲載率、更新率、継続率です。

特に重要なKPIは、1掲載企業当たりの有効な送客数です。

アクセス数が多くても、掲載企業へ見込み客が届かなければ、掲載料は続きません。

最初に取り組むアクション

最初に売る最小の商品

一つの業界、一つの用途に絞り、30社だけを掲載した比較ディレクトリを作ります。

各社について、対象顧客、料金形態、対応地域、主要機能、問い合わせ先を同じ形式で整理します。

最初の顧客候補

その業界で新規顧客を増やしたいものの、大手比較サイトでは埋もれている中小企業です。

広告費を使っている企業や、展示会へ出展している企業は、掲載料を支払う可能性があります。

最初の集客方法

掲載企業への営業より先に、利用者が検索している比較記事を3本作ります。

検索流入やSNSでの反応が出たら、無料掲載企業へ閲覧数や送客数を伝え、有料枠を提案します。

投入する費用と時間の上限

検証期間は3か月。掲載企業は30社。制作費は5万円以内とします。

会員機能や口コミ機能は作らず、表計算と簡単なCMSで運営します。

継続または撤退を判断する基準

3か月で月間1,000人以上が訪れ、10社以上の公式サイトへ送客が発生し、少なくとも2社が有料掲載を希望すれば継続します。

閲覧はあるのに企業サイトへ移動されない場合は、掲載情報が判断材料になっていません。検索流入自体がない場合は、テーマかキーワードを変更します。

この事業の本質は、企業や商品を一覧にすることではありません。探す人と売りたい企業が繰り返し集まる場所を保有することです。

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