元記事
記事タイトル
My Porch Pumpkins business started as a hobby. Now, it makes 6 figures, we’re franchising, and I’m coaching entrepreneurs.
掲載サイト
Business Insider
著者
Business Insider編集部による本人取材記事
創業者
Heather Torres
公開日
2025年7月4日
Heather Torresが運営する「Porch Pumpkins」は、住宅の玄関前にカボチャを配送し、その場で秋らしい装飾を完成させるサービスです。
元記事によると、事業は年間6桁ドルを売り上げる規模に成長し、2024年には1,052件の玄関を装飾しました。別の本人取材では1,037件とされており、集計時点や定義が異なる可能性があります。いずれも創業者本人の申告に基づく数字であり、監査済みとは限りません。
Business Insiderには有料購読への導線があります。また、創業者は現在、同様の事業を始めたい人向けのコーチングやフランチャイズ展開も行っているため、事例紹介には事業募集としての商業的な側面も含まれます。
3分で要約
Heatherは2013年ごろから、自宅の玄関を大量のカボチャで飾っていました。
近所にある植物園の秋の装飾に影響を受け、毎年、自宅のディスプレーを少しずつ豪華にしていったのが始まりです。友人からも装飾を頼まれるようになり、2020年にPorch Pumpkinsとして事業化しました。
最初の目標は30軒でした。
ところが、初年度に受注したのは250軒。2024年には1,000軒を超え、スタッフは配送担当やデザイナーを含め20人以上になりました。
商品は、色や大きさの異なるカボチャを組み合わせた定額パッケージです。顧客の自宅まで運び、玄関や階段に並べ、写真を撮りたくなる景色を完成させます。
料金は325ドルから1,350ドル。小さいプランでも約20個のカボチャを使い、設置時間は約6分。大きなプランでも約30分で完成すると報じられています。
集客の転機は、地域のインフルエンサーが完成写真をSNSで紹介したことでした。視覚的に分かりやすく、近所の住宅へ連続して設置されるため、完成した玄関自体が広告になります。
秋の営業期間は短いものの、配送日程、仕入れ、設置順を集中管理することで、季節限定の高密度な事業に育てています。
主要な収益モデル
基本収益は、カボチャ、配送、デザイン、設置をまとめたパッケージ料金です。
売上は次の式で考えられます。
装飾件数 × 平均販売単価
ここから、カボチャの仕入れ、トラック、倉庫、配送スタッフ、デザイナー、廃棄・回収費用を差し引きます。
この事業の特徴は、1時間いくらで装飾作業を売っていないことです。
顧客はカボチャの数や作業時間を細かく指定せず、あらかじめ設計された完成形を選びます。そのため、仕入れと設置手順を標準化しやすく、現場での見積もりや長い打ち合わせを減らせます。
さらに、シーズン終了後の撤去、回収、農場への寄付などを追加サービスにできます。実際にPorch Pumpkinsは、回収したカボチャや干し草を地域の農場へ提供しています。
開始コスト
元記事には、正確な創業費用は記載されていません。
最初に必要なのは、カボチャの仕入れ資金、運搬車両、保管場所、設置用の手袋や台車、予約管理の仕組みです。
ただし、初年度から大量仕入れをする必要はありません。
小さく始めるなら、地元農家や青果店から予約分だけ調達し、対象地域を車で30分以内に限定します。商品写真を3種類ほど作り、注文が入ってから必要数量を確保する形が現実的です。
投資を増やすのは、予約が安定し、同じ地域で複数件をまとめて配送できるようになってからです。
必要スキル
装飾のセンスだけでは成立しません。
大きさや色が違うカボチャを短時間で整えるデザイン力に加え、重い商品を安全に運ぶ体力と作業管理が必要です。
特に重要なのは物流です。
カボチャは大きさが不均一で、壊れやすく、長期間の保管にも向きません。いつ、何個仕入れ、どのトラックに積み、どの順番で設置するかを管理できなければ利益が残りません。
また、住宅ごとの階段幅や玄関形状が異なるため、完全な個別対応にせず、既定のパッケージを現場で微調整する力が求められます。
他人が見落としていたポイント
他人は、カボチャを秋に販売する商品として見ていました。
しかし、Heatherは、季節感のある玄関を自分で完成させる面倒さを見ていました。
顧客は、カボチャを買えないわけではありません。
スーパーや農園へ行けば、もっと安く買えます。
問題は、何色を何個選ぶか分からないことです。大量のカボチャを車へ積み、自宅まで運び、バランスよく並べ、シーズン後に処分する必要もあります。
Porch Pumpkinsは、その判断と重労働をまとめて引き受けました。
顧客が買っているのはカボチャではありません。
自宅の玄関を、短時間で写真映えする季節の景色へ変えられることです。
しかも、完成した玄関は住民だけでなく、近所の人や来客の目にも入ります。装飾には、自分の家をきれいに見せたいという感情と、季節の行事に参加していることを示す役割があります。
この事業では、青果物がインテリア商品へ変換されています。
日本ならどう応用できるか
日本の一般住宅では、米国のような広い玄関ポーチや階段が少ないため、そのままの再現は難しいでしょう。
一方で、ホテル、商業施設、飲食店、住宅展示場、結婚式場などには応用できます。
商品もカボチャに限定する必要はありません。
春の桜、七夕、ハロウィーン、クリスマス、正月など、季節ごとに「入口の一角だけを完成させるサービス」として提供できます。
日本向けには、個人宅を一軒ずつ回るより、複数店舗を持つ企業向けに、本部一括契約で入口装飾を配送・設置するほうが効率的です。
ただし、店舗や施設では、避難経路を塞がないこと、装飾物が転倒しないこと、火気や照明器具から距離を取ることが必要です。建物やイベントの条件によっては消防上の確認が必要になるため、大型装飾や電飾を扱う場合は、施設管理者や所轄消防署への事前確認が欠かせません。消防法は、火災を防ぎ、人命や財産を守ることを目的としており、施設の用途や設置状況によって安全基準が変わります。
5つの勝ち筋フィルター
① 中央値か、外れ値か
評価:★★★★★
カボチャの販売自体は、ありふれています。
しかし、複数の商品を選び、運び、配置した完成形までを定額で販売したことで外れ値になりました。
青果販売ではなく、季節限定の空間演出として売っています。
② 古くからある市場か
評価:★★★★★
家や店舗を季節ごとに飾る需要は以前からあります。
顧客はすでに、花、クリスマス装飾、門松、店舗ディスプレーなどに費用を使っています。
まったく新しい習慣を教育する必要はありません。
③ 期待値1以上のサイコロを何度も振れるか
評価:★★★★☆
最初は数件、数種類のパッケージで試せます。
地域、季節、顧客層、価格、装飾素材を変えて検証でき、常設店舗も不要です。
ただし、生鮮品を大量に仕入れると、売れ残りがそのまま損失になります。予約販売を原則にすることが条件です。
④ 粗利益率は高いか
評価:★★★★☆
設置時間だけを見ると、粗利益を高くしやすい事業です。
しかし、実際には仕入れ、積込み、移動、倉庫、撤去まで含めて考える必要があります。
同じ地域の注文をまとめられず、1件ごとに長距離を移動すると利益が消えます。
⑤ 再現性はあるか
評価:★★★★☆
商品ごとの使用個数、色の組合せ、設置写真を決めれば、別のスタッフでも再現できます。
小型プランが約6分、大型プランが約30分で設置できるという点からも、事前準備と型化が進んでいることが分かります。
一方、現場で一からデザインを考える運用にすると、創業者の感覚へ依存します。
どうなったら失敗するのか
最大の死亡条件は、予約より先に在庫を持つことです。
季節商品は販売期間が短く、終了後には価値が急落します。
次に危険なのは、顧客ごとの完全オーダーメイドです。
色、個数、配置を細かく相談すると、見積もりと現場作業が長くなり、定額パッケージの利点が失われます。
配送地域を広げすぎることも危険です。
設置時間が10分でも、移動に1時間かかれば採算は合いません。天候による破損、転倒、腐敗への補償範囲も事前に決める必要があります。
早期に確認したいKPI
見るべき数字は、平均販売単価、材料原価率、1件当たり設置時間、1日当たり設置件数、廃棄率、同一地域の受注密度です。
特に重要なKPIは、配送・積込み・設置を含めた1台1日当たり粗利益です。
個々の注文が黒字でも、配送ルート全体の効率が悪ければ事業は成立しません。
最初に取り組むアクション
最初に売る最小の商品
対象を一つの季節、一つの場所に絞ります。
たとえば、飲食店の入口1平方メートルを装飾する「ハロウィーン完成セット」です。
素材、配送、設置、撤去までを定額にします。
最初の顧客候補
写真をSNSへ投稿する飲食店、ホテル、住宅展示場、美容室が候補です。
季節感を出したいものの、担当者が装飾を考える時間を取れない店舗が最も強く困っています。
最初の集客方法
最初は完成見本を一つ作り、地域の店舗へ写真を見せて直接提案します。
装飾前後の写真をSNSに掲載できることを条件に、最初の数店舗だけ割引する方法もあります。
投入する費用と時間の上限
検証期間は1シーズン。顧客は最大10店舗。仕入れ費用は予約売上の30%以内にします。
専用倉庫や大型車両は契約せず、自家用車や短期レンタカーで処理できる範囲に限定します。
継続または撤退を判断する基準
10店舗中3店舗以上が次の季節も依頼し、1台1日当たり粗利益が目標を超えれば継続します。
個別要望が多すぎる、撤去費用が読めない、配送距離を短縮できない場合は、個人宅をやめ、同一施設内の複数店舗向けへ対象を変更します。
この事業の本質は、カボチャを販売することではありません。季節の景色を、考えず、運ばず、片付けずに手に入れられる状態を提供することです。
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