元記事
記事タイトル
How I Started A $1.4K/Month WordPress Support Service
掲載サイト
Starter Story
著者・事業者
Kevin Koskella氏(Work Hero創業者)
公開日
2020年7月17日
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元記事公開時点では、13サイトと継続契約し、月間売上は約1,470ドルと説明されています。現在のページ上部には、その後の更新を反映した月商3万5,000ドルという表示もありますが、この記事では主に2020年時点の立ち上げ過程を扱います。数字は事業者本人の申告に基づき、第三者による監査済みとは限りません。Starter Storyは有料会員や関連サービスを販売しており、記事内には商業的な導線も含まれます。
3分で要約
Work Heroは、中小企業が運営するWordPressサイトの保守、監視、小規模な修正を月額料金で引き受けるサービスです。
提供内容には、サイトの稼働監視、バックアップ、セキュリティ確認、表示速度の改善、モバイル対応、小さな修正作業などが含まれます。公開当時、多くの顧客は月額149ドル前後を支払い、13サイトの管理で月間約1,470ドルを得ていました。
この事業は、最初からWordPress保守に特化していたわけではありません。
当初は、デザイン、Web開発、事務代行をまとめて月額提供する構想でした。その後、事務代行を外し、デザインとWordPress支援へ絞りましたが、それでも「何をしてくれる会社なのか」が顧客に伝わりにくく、運営も複雑でした。
そこで無制限デザインをやめ、WordPressの保守と1時間以内で終わる小さな修正へ集中しました。
すると商談が簡単になりました。顧客に多くのサービスを説明する必要がなくなり、「WordPressの面倒を月額で引き受ける」と伝えるだけで済むようになったのです。
再出発後は、最初の月に2社、翌月にも2社、その翌月には紹介や営業から3社を獲得しました。無料体験も使い、2020年4月には6社へ1カ月無料で提供し、そのうち2社が有料顧客へ移行しています。
サービス提供には、顧客が依頼を登録する窓口、作業を開発者へ割り振る仕組み、進捗管理、完了報告が必要です。
初期にはメールとGoogleスプレッドシートを使っていましたが、顧客が3社ほどになると管理が難しくなり、プロジェクト管理ツールを導入しました。無料顧客で試した初期版では、手順が整っておらず依頼が漏れ、不満を生んだこともあったと説明しています。
その後、顧客登録、依頼受付、解約までの各工程を手順書にし、返信文面も定型化しました。顧客数を急に増やさず、少人数で運営上の問題を直しながら成長したことが、安定につながっています。
主要な収益モデル
中心となるのは、WordPress保守の月額料金です。
基本式は、
月額料金× 管理サイト数− 開発者の人件費− 管理ツールなどの固定費
となります。
顧客は、作業が発生するたびに見積もりを取り、業者を探す必要がありません。月額料金を払えば、日常的な不具合や小さな変更を相談できます。
一方、運営側は単発案件を毎月探さなくても、継続売上を積み上げられます。
元記事公開時点の主力プランは月額149ドル前後でした。最低価格の商品は、サービスを絞った際に月額297ドルから79ドルへ変更されています。
このモデルで重要なのは、「無制限」という表現よりも、依頼範囲を小さく限定することです。
1件1時間以内の作業を基本とし、大規模なリニューアルや複雑な開発は別案件にします。月額料金の中で何でも対応すると、一部の顧客だけが大量に依頼し、利益を失うからです。
開始コストと必要スキル
店舗や在庫は不要です。
必要になるのは、Webサイト、決済、顧客窓口、タスク管理、監視・バックアップ用ツール、開発者への報酬などです。
元記事では、システム費用の中で特に大きかったのが、プロジェクト管理ツールの年間契約約1,200ドルでした。その他の主な費用は、開発者やデザイナーへの報酬です。
必要なスキルは、WordPressの技術だけではありません。
どの依頼を月額内で受けるか判断する力、作業を担当者へ割り振る力、期限を管理する力、顧客へ状況を説明する力が必要です。
事業を大きくするほど、創業者自身がサイトを直す能力より、依頼を漏らさず処理する運営能力の方が重要になります。
他人が見落としていたポイント
多くの人は、この事例を「WordPressの修理を定額で提供する仕事」と見ます。
しかし、顧客が本当に困っているのは、一つ一つの修正作業ではありません。
サイトに問題が起きるたびに、
誰へ頼めばよいか。
いくらかかるか。
いつ直るか。
以前の担当者はまだ連絡が取れるか。
小さな修正でも受けてもらえるか。
を考えなければならないことです。
大規模な制作会社へ頼むほどではない。一方、自分で調べる時間も技術もない。
この中間に、小さな不具合や変更が大量に放置されています。
Work Heroが売っているのは修正作業ではありません。
「サイトに何かあったら、まずここへ頼めばよい」という常設の担当窓口です。
さらに重要なのは、提供できる仕事を増やすのではなく、減らしたことで売れ始めた点です。
デザイン、事務代行、開発をまとめて提供すると便利に見えます。しかし、顧客はサービス内容を理解しにくく、運営側も異なる人材と工程を管理しなければなりません。
他人は、顧客のためにサービスを増やそうとしました。
しかし、この事業者は、顧客が迷わず買え、社内でも繰り返し処理できる一つの仕事へ絞ることを選びました。
日本ならどう応用できるか
日本にも、制作後に十分な保守を受けられていない中小企業サイトは多くあります。
ただし、「WordPressなら何でも直します」では範囲が広すぎます。
たとえば、月額サービスを次のように限定します。
- 月1回の更新作業
- プラグインと本体の更新
- バックアップ
- 稼働監視
- 月60分までの軽微な修正
- 問い合わせフォームの動作確認
- 月次レポート
対象顧客も、小規模医院、士業事務所、工務店、宿泊施設、地域店舗など、サイトは必要だが専任担当者を置けない業種に絞れます。
さらに、WordPress以外にも応用できます。
Shopify店舗の軽微な修正、Googleビジネスプロフィールの更新、求人ページの保守、社内Notionの整理などです。
共通するのは、新しく何かを作ることではありません。
一度導入したものを、壊れず、古くならず、使える状態に保つ仕事です。
5つの勝ち筋フィルター
① 中央値か、外れ値か
評価:★★★★☆
Web制作は競争の激しい市場ですが、制作ではなく「小さな保守だけ」を商品化した点には外れ値性があります。
大規模案件を追わず、制作会社が積極的に受けたがらない細かな仕事を継続契約へ変えています。
② 古くからある市場か
評価:★★★★★
Webサイトは作った後も、更新、不具合、セキュリティ対応が必要です。
新しい需要を教育する必要はありません。顧客がすでに抱えている面倒を引き受ける事業です。
③ 期待値1以上のサイコロを何度も振れるか
評価:★★★★★
最初は一社から始められ、店舗や在庫も不要です。
売れなければ、対象業種、料金、対応範囲を変えて検証できます。無料体験や低価格の初月プランも使えます。
ただし、依頼範囲を決めずに始めると、一社だけで作業時間を使い切る危険があります。
④ 粗利益率は高いか
評価:★★★★☆
ツール費を除けば、主な原価は作業者の人件費です。
顧客からの依頼量が少ない月も月額料金を受け取れるため、案件単価型より安定します。
一方、依頼が集中した月に備えて人員を抱えすぎると利益が落ちます。元記事でも、開発者が少なすぎれば納期が遅れ、多すぎれば待機コストが増えることが課題として挙げられています。
⑤ 再現性はあるか
評価:★★★★★
顧客登録、ログイン情報の取得、依頼受付、作業、確認、報告、解約までを手順化できます。
小規模な修正へ限定すれば、担当者へ仕事を割り振りやすく、複数サイトを同じ流れで管理できます。
どうなったら失敗するのか
最大の失敗条件は、月額料金の中で顧客の要望を無制限に受けることです。
特に、短期間だけ利用して大量の修正を依頼する顧客は、採算を崩します。元記事でも、1カ月しか払えない顧客を受け入れた結果、多くの要求を受け、赤字になった可能性があると振り返っています。
もう一つの死亡条件は、依頼管理が人の記憶に依存することです。
顧客数が数社でも、メール、チャット、口頭依頼が混在すれば漏れが起きます。小さな修正ほど忘れられやすいため、受付窓口を一つに統一する必要があります。
早期に確認したいKPI
確認したいのは、1サイト当たりの月間作業時間、月額粗利益、依頼件数、平均対応時間、3カ月後の継続率です。
特に重要なのは、月額売上ではなく顧客ごとの作業時間の偏りです。
一部の顧客だけが大量に依頼しているなら、プランや上限を見直す必要があります。
最初に取り組むアクション
最初の商品は、「月60分までのWordPress軽微修正と保守」に絞ります。
内容は、バックアップ、更新確認、稼働監視、小さな文章・画像修正、月次報告までとします。新規ページ制作や大規模改修は対象外です。
最初の顧客候補は、過去にサイトを制作した知人企業、地域の店舗、士業、小規模事業者です。
検証期間は30日、費用は3万円以内、顧客は最大3社までに制限します。
3社へ有料または初月体験で提供し、2社以上が翌月も継続し、1社当たりの作業時間が月2時間以内なら続けます。
継続率は高いが作業時間が長い場合は、作業上限を設けるか料金を上げます。需要が弱い場合は、「保守」ではなく「月1回の更新代行」「緊急時の担当窓口」など、顧客が理解しやすい言葉へ変えます。
この事業の本質は、Webサイトを直すことではありません。
小さな事業者に対して、「何かあった時に迷わず頼める担当者」を月額で提供することです。
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