元記事
記事タイトル
How I Left Construction To Start A $12K/Month Local Lead Generation Business
掲載サイト
Starter Story
創業者
James Kuck氏(My Media Pal)
公開日
2022年11月6日
元記事URL
https://www.starterstory.com/stories/my-media-pal
My Media Palは、地域の屋根工事、樹木サービスなど特定業種向けの集客サイトを自社で作り、問い合わせを発生させ、そのリードを地域事業者へ月額で独占提供する事業です。
元記事時点で、このRank & Rent部門は月1.2万〜1.5万ドルを売り上げていました。直近の契約例としては、コロラド州の樹木サービス会社へ月2,000ドルで問い合わせを独占提供。新たに作る集客サイトは1件当たり約1,000ドルで構築・上位表示まで行い、最低でも月1,200ドル程度で貸す想定だと説明しています。
なお売上、利益、サイト制作費などは創業者本人へのインタビューをもとにした数字であり、第三者監査済みとは限りません。また記事は2022年時点の事例です。
3分で要約
James氏は、もともと建設会社を経営していました。
そこで苦労していたのが、新規顧客の獲得です。
腕の良い施工会社でも、見積依頼が来なければ仕事にならない。
そこで地域SEOを学び、建設会社を辞めた後はWeb制作、SEO、広告運用などを提供する一般的なデジタルマーケティング会社を始めます。最初のSEO顧客は、契約時1,000ドル+月300ドルでした。
しかし代理店を続けるうちに、一つの問題に気づきます。
顧客のWebサイトを半年かけて検索上位へ上げても、顧客が解約した瞬間、売上はゼロになる。
しかも半年間かけて作った検索順位やコンテンツは、すべて顧客側に残ります。
働けば働くほど、顧客の資産は増える。しかし、自社には資産が残らない。
実際、一度に複数の顧客が解約し、月間売上を約1万ドル失ったこともありました。
そこで発想を逆転させます。
顧客のサイトを育てるのをやめる。
自分たちで、
「Lubbock roofing contractor」
のような、地域×業種に特化したサイトを作る。
そこから問い合わせが1〜2件発生するようになったら、その地域の施工会社へ電話します。
「すでに問い合わせが来ています。この地域の案件を独占で受けませんか」
と売る。
料金体系は、1件ごとのリード課金、成約売上の歩合、月額固定などを試した結果、現在は主に月額固定のレンタル型にしています。
つまり、
SEO作業を売る
→ SEOで作った集客資産を貸す
へ商売を変えました。
主要な収益モデル
単純化すると、
収益=稼働中の集客サイト数×月額利用料+成果報酬等-サイト制作費-コンテンツ制作費-SEO費-広告費-サーバー・ドメイン費-営業費-問い合わせ管理費
となります。
元記事では、新しい集客サイトを作り、検索順位を上げるまでの平均費用を約1,000ドル、貸出価格を最低月1,200ドル程度としています。
仮に1,000ドルで作ったサイトが月1,200ドルで貸せれば、取得費だけなら1カ月程度で回収できます。
もちろん実際には、順位が上がるまでの時間、人件費、更新費、売れないサイトもあります。
それでも一般的な代理店との違いは大きい。
代理店では、
顧客が解約する=売上と仕事の成果を同時に失う
ですが、このモデルでは、
顧客が解約する=別の事業者へ貸し直す
ことができます。
サイトと問い合わせ経路を自社が所有しているからです。
開始コスト
Starter Storyは、この事業の開始費用を約2,000ドルとしています。事業立ち上げ時も、高額な設備は持たず、WordPressサイトを作り、営業とSEOを自分たちで行っていました。
Rank & Rentについてさらに重要なのは、サイトを作ったらすぐ顧客を探したわけではないことです。
まずサイトを作る。
検索から問い合わせが1〜2件入る。
その実績を持って地域業者へ営業する。
つまり、
「SEOできます」
ではなく、
「すでに見積依頼が来ています」
と売っています。
営業時点で商品が一部完成しているわけです。
必要スキル
重要なのはWeb制作そのものではありません。
シンプルなサイトでも構いません。
必要なのは、
どの地域×業種なら、問い合わせ一件に高い価値があるかを見つける能力
です。
たとえば、一件成約すれば数十万円、数百万円になる工事なら、毎月数件の見積依頼に1,200ドル払う合理性があります。
一方、客単価1,000円の商品では成立しにくい。
もう一つはSEOです。
検索順位が付かなければ、サイトは資産ではありません。
さらに問い合わせが来ても、貸し先となる優良事業者を確保できなければ収益化できません。
検索需要を作る能力と、その需要を買ってくれる事業者を探す営業力の両方が必要です。
他人が見落としていたポイント
一般的なWeb制作会社やSEO会社は、
顧客を取る
→顧客のサイトを改善する
→毎月報酬をもらう
という順番です。
しかしこのモデルでは、
サイトを作る
→顧客を集める
→その顧客を欲しい会社を探す
という順番になります。
違いは所有権です。
代理店が月100万円かけて優れたSEO施策をしても、作ったサイトが顧客所有なら、契約終了時に資産は顧客へ残ります。
Rank & Rentでは、検索順位、コンテンツ、ドメイン、問い合わせ経路を自社が持ちます。
だから契約相手を入れ替えられる。
これは賃貸不動産とかなり似ています。
借主が退去しても、建物は消えません。
次の借主を探せます。
労働を売っていた会社が、収益を生む資産を所有する会社へ変わった。
他人は「SEOサービス」を見ていました。しかし、この事業者は、SEOによって作った顧客獲得能力そのものを、自社所有の収益資産にできることを見ていました。
日本ならどう応用できるか
日本なら、
外壁塗装。
ハウスクリーニング。
害虫駆除。
造園。
不用品整理。
エアコン工事。
など、地域性が強く、一件当たりの顧客価値が比較的高い業種が候補になります。
たとえば、
「練馬区+庭木剪定」
に特化した情報サイトを作る。
料金相場、依頼時期、樹木別の注意点、業者選びなど、地域住民に本当に役立つ情報を掲載する。
そこから見積依頼を受け、実際に施工できる地域事業者へ紹介する。
重要なのは、架空の造園会社を作ることではありません。
Googleは現在、見込み顧客を発掘するだけの企業をGoogleビジネスプロフィールの対象外としています。また実際に営業していないバーチャルオフィスを所在地として登録することも認めていません。
さらに「地域名だけを変えたほぼ同じページ」を大量に作り、最終的に同じ事業者へ送客するような手法は、Google検索の「誘導ページの不正使用」に該当する可能性があります。
したがって日本で応用するなら、
実在する会社を装うのではなく、透明性のある地域情報・見積比較・紹介メディアとして価値を作る
方が長期的です。
7つの勝ち筋フィルター
① 他人が見落としている切り口があるか
評価:★★★★★
SEOを受託サービスとして売らず、SEOで生まれた集客能力そのものを所有しています。
解約されても資産が残る点が大きな違いです。
② 古くからある市場か
評価:★★★★★
地元業者は昔から見積客を必要としています。
売っているのは「SEO」ではなく、既存の見込み顧客需要です。
③ 小さく始められるか
評価:★★★★★
一地域、一業種、一サイトから試せます。
店舗も商品在庫も必要ありません。
④ 在庫を持たずに済むか
評価:★★★★★
物理在庫はありません。
ただし、順位が付かないサイトは「収益を生まないデジタル在庫」になるため、開発しすぎには注意が必要です。
⑤ ストック収益になるか
評価:★★★★★
月額固定で貸せれば継続収入になります。
さらに顧客が解約しても、別会社へ貸し替えられる可能性があります。
⑥ 粗利益率は高いか
評価:★★★★☆
元記事では約1,000ドルで構築・順位形成したサイトを、最低月1,200ドル程度で貸すモデルが紹介されています。
一方、上位表示できなかったサイトの費用まで含めれば利益率は下がります。
⑦ 再現性はあるか
評価:★★★☆☆
事業構造自体は再現できます。
しかし検索順位はプラットフォーム依存です。実際、My Media PalもGoogle広告等の変更によって大きく利益を落とした経験を語っています。2018年には月間純利益3.8万ドルに達した時期がある一方、その後は変動も大きかったとしています。
どうなったら失敗するのか
最大の死亡条件は、サイトを作ること自体が目的になることです。
100サイト作った。
しかし問い合わせが来るのは10サイト。
残り90サイトは資産ではありません。
維持費のかかる不良在庫です。
二つ目は、検索順位だけに依存することです。
Googleのアルゴリズム変更で順位が落ちれば、翌月から問い合わせが消える可能性があります。
三つ目は、業者へ問い合わせを渡して終わることです。
紹介先の電話対応が悪い。
見積に行かない。
クレームが多い。
そうなれば、せっかく集めた利用者からの信用が失われます。
集客サイトの価値はアクセス数ではなく、良い業者へつながって初めて完成します。
早期に確認したいKPI
見るべき数字は、サイト制作費、問い合わせ数、問い合わせ獲得単価、問い合わせ→見積率、貸出月額、サイト稼働率、顧客継続月数などです。
その中でも最も重要なのは、
最も重要なKPI=1サイト当たり月間粗利益÷累計サイト投資額
です。
検索1位になったかではありません。
月3万円の利益を生むサイトへ30万円かかったのか。
月10万円の利益を生むサイトへ10万円かかったのか。
「デジタル不動産」と考えるなら、見るべきなのはアクセスではなく投資利回りです。
最初に取り組むアクション
最初に売る最小の商品
最初から10地域へ展開しません。
一地域×一業種の集客ページまたは小規模サイトだけ作ります。
最初の顧客候補
一件の成約価値が高く、地域で事業をしているものの、Web集客が弱い事業者です。
営業前に「一件の見積客へいくら払えるか」を聞きます。
最初の集客方法
最初はSEOだけに賭けません。
地域検索広告など少額の有料集客も使い、
本当にその地域で問い合わせが発生するか
を先に確認します。
問い合わせが数件発生した段階で、地域事業者10社程度へ、
「すでにこの地域から見積依頼があります」
と営業します。
投入する費用と時間の上限
2カ月、一地域、一業種、10万円以内。
最初から複数サイトを作りません。
問い合わせが発生しない地域・業種に追加投資しないことが重要です。
継続または撤退を判断する基準
2カ月以内に有効な問い合わせが最低5件発生し、その問い合わせを欲しいという事業者が最低2社見つかること。
さらに1社が、サイト維持・集客コストを十分上回る月額料金を実際に支払うことを条件にします。
成立してから、隣接地域や別業種へ展開します。
この事業の本質は、SEOサイトを作ることではありません。顧客企業のために集客して報酬をもらう働き方から、集客能力そのものを自社資産として所有し、その利用権を繰り返し販売する働き方へ変えることです。


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